朝鮮総連トップ宅捜索 「捜査は暴挙。日朝関係悪化なら日本の責任」許宗萬氏激怒

北朝鮮からマツタケを不正輸入したとして外為法違反容疑で東京都内の貿易会社社長らが逮捕された事件。京都府警や神奈川県警などの合同捜査本部は26日、関係先として在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長の自宅の家宅捜索に乗り出した。閑静な住宅街は早朝から物々しい雰囲気に包まれた。

 同日午前7時10分ごろ、東京都杉並区にある許氏の自宅前に灰色の捜査車両が横付けされ、捜査員ら数人が室内に入った。路上でも別の捜査員が押収物を入れる段ボールを路上に置き、待機した。

 一方、許氏側の弁護士を名乗る男性2人が間もなく到着。それに合わせるように、約10人の捜査員が段ボールを手に、足早に室内へ向かっていった。

 許氏の自宅周辺の道路は警察によって規制され、住民や、事態を知って駆けつけた関係者とみられる人が見守る中で、捜索が続けられていた。

 一方、社長が逮捕された東京都台東区の貿易会社でも同日朝から捜索が行われた。事務所が入居する貸しビルの出入り口は内側からシャッターが下ろされ、中の様子はうかがえないが、周辺には報道陣が詰めかけ一時、騒然となった。

 東京都杉並区内の自宅を家宅捜索された許氏は、捜索終了後に自宅前で報道陣の取材に応じ、「無法で差別的な捜査は許されない。徹底的に戦う」と強調した。

 許氏は摘発された会社について「全く知らない」と説明。今回の捜査を批判した上で、「朝日関係が微妙な時に、こうした暴挙を行って関係が悪化したとしても日本政府の責任である」と語気を強めた。