「昭和」の象徴…ブラウン管TVの生産終了へ

世界のブラウン管テレビの生産が来年にも終了する見通しになった。

 高画質の液晶テレビの普及によって、現在製造しているシャープとインドの2社が撤退するためだ。日本では「昭和」を象徴する存在ともいえるブラウン管テレビが市場から消えることになる。

 テレビの画面には、液晶とブラウン管のほか、画質の良い有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビなどがあるが、大型化して量産するのが難しい有機ELは一部の業務用などにとどまっている。

 シャープはフィリピンでブラウン管テレビを製造・販売しているが、来春までに生産を終える方針を明らかにした。インドの地場の2社も来年中に終える方向だ。

 ブラウン管テレビは1940年代後半、米企業が世界で初めて量産した。日本ではシャープが53年に量産を始め、他の国内メーカーも相次いで参入した。