和歌山県警の聴取「違法」=参考人女性への賠償命令―大阪地裁

和歌山県警に参考人として事情聴取された際、性生活について聞かれて心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、大阪府内の30代の女性が県に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が8日、大阪地裁であった。佐藤哲治裁判長は聴取の一部を違法と認め、県に11万円の支払いを命じた。
 判決によると、女性は内縁の夫が逮捕された強制わいせつ事件に絡み、2012年1月、和歌山西署で参考人として事情聴取を受けた際、男性警察官から2人の性生活について約30分間尋ねられた。
 佐藤裁判長は、内縁の夫の性欲の程度などを確認することは捜査上の必要があると認めたが、質問の一部や手ぶりは不必要と判断した。女性のPTSDについては「基準を満たさない」と認めなかった。
 女性は、訴訟で県から「下ネタ話への許容性が高い」と指摘されたことにも賠償を求めていたが、退けられた。
 女性は判決について「一部勝訴できたことは大変うれしいが、納得できない部分もある。弁護士と今後について相談したい」とのコメントを出した。
 江南拓哉和歌山県警首席監察官の話 判決内容を精査し、今後の対応を決める。