中高年ライダーの死亡事故、10年で倍増

交通事故の死者数が減少するなか、中高年のオートバイによる死亡事故が増えている。

 若い頃の愛好者が中高年になって運転を再開する「リターンライダー」の増加が一因。警察庁は12日、オートバイ関連団体などと「二輪車安全対策推進連絡会議」を初めて開き、安全対策を連携して進めることを申し合わせた。

 同庁によると、2013年の交通事故死者の全体数は前年より38人少ない4373人で13年連続の減少だったが、オートバイに乗車中の事故死者数は5人増えて465人となった。

 特に中高年の死者が増え、03年は40歳代が63人、50歳代は30人だったが、13年に40歳代103人、50歳代67人とそれぞれほぼ倍増した。10年間で半減した16〜39歳の層と比べると、その急増ぶりは際立つ。

 背景にあるのは、リターンライダーの増加だ。日本自動車工業会によると、1982年の328万台をピークに2010年に38万台まで落ち込んだ二輪車の国内販売台数は、13年に41万台に回復した。中高年層の購買意欲が高く、同年度の運転者の平均年齢は05年度を8・3歳上回る51・0歳。観光地や景勝地でのツーリングを楽しむ人が増えているという。