自民会派道議「アイヌ先住民族か疑念」議会で発言

北海道議会の最大会派「自民党・道民会議」の小野寺秀(まさる)議員(51)=帯広市選出=が11日の道議会決算特別委員会で、「アイヌが先住民族かどうかには非常に疑念がある。グレーのまま政策が進んでいることに危機感を持っている」と発言した。アイヌを巡っては、2007年の国連「先住民族の権利宣言」を受け、国会が08年に先住民族とする決議を採択。道は高校や大学に進学するアイヌを対象に奨学金制度を設けている。

 毎日新聞の取材に小野寺氏は「アイヌ民族の存在は否定しないが、北海道と本州の間は昔から多くの人が往来している。北海道がアイヌだけの島だったことは誰も証明できない」と主張。決算委では「我々の祖先は無謀なことをアイヌの人にやってきてはいない。自虐的な歴史を植え付けるのはいかがなものか」とも述べた。

 これに対し北海道アイヌ協会の阿部一司副理事長は「9月に国連本部で開かれた先住民族世界会議に日本政府代表団の一員として参加したばかりで、(発言は)悲しくて情けない。経緯をしっかり勉強してほしい」と批判した。