花火大会のキュウリ集団食中毒 静岡市と大会本部が見舞金

今年7月、静岡市内で開かれた安倍川花火大会の露店で売られた冷やしキュウリを原因とする腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒について、静岡市と大会本部は4日、それぞれが被害者に見舞金を支給すると発表した。

 金額は被害の程度にかかわらず、大会本部が1人5千円で、市が同1万円。支給対象者は原則として、市保健所が被害を把握している518人(2次感染者を含む)。市では対象者には7日までに書類を発送するが、実際の支出は年明けになるという。

 この集団食中毒では、被害者に対応する弁護団が発足しており、訴訟も視野に入れている。食中毒発生に伴う法的責任は、大会本部も静岡市も否定しているが、「道義的に見舞金だけはと考えた」(大会本部の市川源一会長)、「個人としても心を痛めてきた。特例として支出する」(静岡市の田辺信宏市長)などと、理由を説明した。

 一方で来年以降の花火大会については、露天商に対する監視や指導を強化した上で、例年通り開催する考えだ。

 見舞金支出についての問い合わせは、静岡市観光・シティプロモーション課(電)054・221・1228。