整理券ハケても客ゼロ…ファンも同情ジョイマン高木の近況

08年、♪ナナナナ〜 ナナナナ〜というフレーズや「ありがとう、オリゴ糖」などのナンセンスな韻を踏む、“脱力系ラップネタ”でブレークしたお笑いコンビのジョイマン。そのひとり、“キモかわ”キャラで人気だった高木晋哉さん(34)、今どうしているのか。

「月2回の事務所主催のライブや地方営業が基本で、月の半分が埋まってればいい方ですね。あと、去年から『一発屋再生工場』ってライブをムーディ勝山さんやレイザーラモンHGさんたちとやってるんですけど、先輩方のケタ違いのブレークと比べ、ボクらはブレークしたんだかどうか」

 新宿にある所属事務所で会った高木さん、こう言って苦笑した。

「8月に町田のショッピングセンターでサイン会をやった時は、事前に50枚の整理券がはけたと聞いてたんです。なのに、当日、だ〜れも来なかった。それをツイッターでつぶやいたら、2500リツイートされるくらい同情の反響がありましてね」

 コンビがショッピングセンターの一角にポツンと座った写真に、「あまりに悲惨すぎる」など多数の書き込みもあった。

「3月にフジテレビ系の『お悩みハレルヤ』って深夜番組でボクの母親が出てきて、<もう芸人辞めたら>って引退勧告されるドッキリ企画があり、この反響もスゴかった。営業先で<あの番組見て応援に来ました>って声をかけられ、芸人仲間からは“かわいそうだ”と気の毒がられました」

■詩集「ななな」出版

 さて、早大教育学部出身の高木さんが横浜市立谷本中学校の同級生だった池谷和志さんとジョイマンを結成したのは03年。

「06年までフツーの漫才やってて、全然ウケない。で、“2、3本、イ・ビョンホン”のような韻を踏んだギャグを使ったネタを始め、それが主体になりました。とはいえ、テレビからはまるでお呼びがかからなかった。そこへショートネタブームがやってきて、07年に『ぐるぐるナインティナイン』(日テレ系)で初めてテレビに出て、『爆笑ピンクカーペット』(フジ系)で第3回MVPを受賞してからは、ドバ〜ッと仕事が増えました」

「“一発屋”にはなるまい」と心したものの、「レールに乗せられてしまった」とか。

「最初の1年くらいは休みなし。それからゆっくり下降線をたどり…。この前、中野で飲んでたら、偶然、隣の席にダチョウ倶楽部の上島竜兵さんがいらして、<ジョイマンはそのままで面白い>と声をかけていただきました。涙が出るほどうれしかったですね。それとオードリーの若林(正恭)さんがラジオのオールナイトニッポンで<オレほど定期的にジョイマン(のネタ)をYou Tubeで見てる人間はいない>と言ってくださったみたいで、これもめちゃくちゃうれしかった。しかし、オードリーさんは『ぐるナイ』に同時期に出て、こんなに差がつくとはなあ、ハハハ」

 去年、「ななな」なる詩集を出した。

「ブログにちょっと創作っぽい文章を書いたところ、2ちゃんねるで話題になったんです。それを聞きつけた出版社(晩聲社)の方が、詩集を出しませんか、って誘ってくださった。1000冊くらい売れたみたいで、今でも自分で書店に持っていって売ってます。ボク、村上春樹さんの影響を受けてて、本当は文学部に行きたかったんです」

 09年に結婚。3歳の長女・南奈チャンがいる。

「この娘がヨメのマネして<きょうは仕事ないの?>とか言うんでマイっちゃう、ハハハ。最近家賃8万5000円から11万3000円の吉祥寺の3DKマンションに引っ越しました。それと自転車買って移動に使ってる。家賃払ったらおしまいみたいな月もあるけど、ガンバりますッ」