「女性差別で昇任できず」=厚労省係長、国を提訴―東京地裁

厚生労働省の女性係長が、18年間にわたり係長職に留め置かれているのは女性への差別だとして、国に謝罪と660万円余りの損害賠償を求める訴訟を21日、東京地裁に起こした。現職の国家公務員が男女の昇任差別を理由に提訴するのは極めて異例。
 訴えたのは、同省統計情報部係長の50代の女性。国家公務員II種試験に合格し、1989年、旧労働省に入省。96年に係長に就任した。それ以降、担当業務は変わったが、昇任はなかった。
 原告側は「同期の男性職員は2004〜06年ごろ課長補佐級に昇任した。約10年後輩で課長補佐級になった男性もいる」と主張。昇任していれば受け取れたはずの賃金などの支払いを求めている。
 提訴後に記者会見した女性は「他部局と比べて統計情報部の女性だけが昇任が遅い。上司に訴えても無理だったので提訴した」と話した。
 厚労省人事課の話 訴状の内容を承知していないのでコメントできない。内容を確認して適切に対応したい。