イオン、来年からコメ生産に参入 政府の農地バンクを活用

イオンが平成27年からコメの生産に乗り出すことが7日、分かった。まとめて借り上げた農地を意欲的な生産者に貸し出す政府の「農地中間管理機構」(農地バンク)を活用し、埼玉県羽生市で栽培する。小売り大手が、同機構を使ってコメの生産を行うのは初めて。

イオンはみずから生産を手がけてコストを抑え、安全・安心なコメを、手頃な価格で安定的に客へ提供する。大手のイオンによる同機構の活用で、ほかの企業による同機構の利用が促され、日本の農業活性化につながる可能性もある。

イオンは子会社の農業法人、イオンアグリ創造(千葉市)を通じ、年内にも埼玉県の農地中間管理機構と契約。まず羽生市で11ヘクタールの水田を借り、主として同県のブランド米「彩のかがやき」中心に栽培して、27年秋に60トン程度を収穫する。

コメは埼玉県内のスーパーやグループの外食などで提供。農産物の安全性に関する国際規格の取得も検討する。コメは、ほかの地域での生産も視野に入れる。

イオンは21年に農業へ参入。イオンアグリ創造が、全国15カ所の農場で、野菜や果物を生産している。