家計の金融資産は過去最高1645兆円、企業の現預金も増加続く

日銀が18日に発表した2014年4─6月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は6月末に前年比2.7%増の1645兆円となり、過去最高を更新した。企業の現金・預金残高も同4.2%増の229兆円となり、手元資金を厚めに確保する動きが続いている。

家計の金融資産は15四半期連続で前年比で増加を続けており、これまで過去最高だった2013年12月末の1644兆円をわずかに上回った。過半を占める現金・預金が874兆円と過去最高を更新。株高などの進行に伴う時価評価の上昇で株式・出資金が同5.9%増の150兆円となり、新規の資金流入も続いている投資信託は同14.5%増の82兆円と統計開始以来、初めて80兆円台に乗せた。

企業の金融資産残高も同8.8%増の943兆円と増加傾向が続いている。時価評価の上昇で株式・出資金が250兆円と同17.6%増加。現金・預金も同4.2%増の229兆円と2014年3月末の233兆円に次ぐ過去2番目の規模となり、企業が手元資金を厚めに保有する動きが続いている。

もっとも4─6月期でみると6.3兆円の資金不足となり、2012年7─9月期以来の不足に転じた。日銀によると、4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減という売上減少のほか、設備投資などがマイナスに作用した可能性があるという。

地方公共団体などを含めた一般政府の負債残高は1177兆円となり、過去最高を更新。財融債を含めた国債残高は1013兆円と初めて1000兆円を突破した。

国債の保有者のうちわけをみると、「量的・質的金融緩和」(QQE)の推進で大規模な国債買い入れを続けている日銀が215兆円と3月末に続いて最大の保有主体となった。保有割合は21.2%を占める。一方で、中小企業等金融機関が同8.9%減、国内銀行が同6.3%減など預金取り扱い金融機関が残高を圧縮する動きが続いている。

海外投資家は同5.8%増の86兆円を保有。割合は8.5%と2012年12月末の8.6%に次ぐ高さとなった。