代々木公園を閉鎖=デング熱、蚊からウイルスで―北側地区、広範囲に・東京都など

東京都は4日、代々木公園(渋谷区)で採集した複数の蚊からデング熱のウイルスが検出されたため、同日午後2時から一部を除き同公園を閉鎖したと発表した。閉鎖は1967年の開園以来初めて。
 都によると、立ち入りが禁止されたのは中央広場や噴水池のある公園北側の地区(約44万6000平方メートル)で、道路を挟んで南側の陸上競技場や野外ステージのある地区(約9万4000平方メートル)は含まれない。期間は当分の間で、再開時期は未定。
 採集装置は園内10カ所に設置され、276匹のヒトスジシマカが採集された。このうち北側の地区4カ所で採集した蚊からウイルスを検出。広範囲に及んだため、北側の地区全体を閉鎖することとした。
 同公園には路上生活者が約30人いるが、希望者には福祉施設などを紹介する方針。
 都は4日午後、国立感染症研究所の専門家とともに園内を視察。5日以降、生態系への影響を踏まえた上で蚊の駆除を行うほか、蚊の採集場所を20カ所に増やし、ウイルスの保有状況を追加調査する。
 一方、厚生労働省などは新たに群馬県などの7人のデング熱感染が確認されたと発表した。10〜70代の男女で、東京6人、群馬1人。いずれも代々木公園周辺で蚊に刺されたとみられる。
 これで感染者は、北海道、青森、茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、大阪、愛媛の12都道府県の計56人となった。