写真展 愛知県警「わいせつ」指摘 布で覆い作品展示

名古屋市東区の愛知県美術館で開催中の「これからの写真」展(同美術館、朝日新聞社主催)で展示されている写真家、鷹野隆大さん(51)の男性の裸体を写した作品12点について、愛知県警が「わいせつ物の陳列に当たる」として同館に対処を求めていたことが分かった。同館は13日から作品の一部を半透明の布で覆うなどした。

 県警に匿名の通報があったという。同館は鷹野さんと協議し、男性の性器が写った大型パネル1点は胸から下を半透明の布で覆い、他の小品11点はトレーシングペーパーをかぶせた。

 高橋秀治副館長は「性器が写っていることで耳目を集めることを狙った作品ではない。『県警の指摘を踏まえた次善策として、展示方法を変えることで、鑑賞者に問題提起ができれば』という鷹野さんの意図を尊重した」と話している。

 作品はシリーズ写真で、同館は当初から展示コーナーをカーテンで仕切り、入り口に「性器を含む全身ヌードを撮影した写真もあり、不快感を抱かれる方もあるかもしれません。中学生以下のみでの鑑賞は制限します」などと掲示していた。