サントリーHD、フィットネスクラブ「ティップネス」売却へ=関係筋

サントリーホールディングス[SUNTH.UL]が、グループの運営するフィットネスクラブ「ティップネス」(東京都港区)を売却するため、入札を開始することが明らかになった。

同社は米ビームの買収に多額の資金を投入したため、非中核(ノンコア)事業を選別し、資本をコア事業に投下するのが狙い。複数の関係筋がロイターに明らかにした。

ティップネスの売却に向けた1次入札は、8月初旬にも行われる予定。スマートホンと健康事業の連携を考えるNTTドコモ<9437.T>や、収益の多様化を検討する日本テレビホールディングス <9404.T>が買い手候補に挙がっている。

関係筋によると、売却額は300億円程度になるとの見方がでている。

サントリーHDの広報担当者は、現時点でコメントできることはないとしている。

ドコモの広報部は「現時点でコメントできることはない」、日本テレビHDからのコメントは得られていない。  

ティップネスは、1986年にサントリーが設立し、2014年1月末現在、61店舗を運営、会員数は25万1000人を抱える業界大手。13年12月期の売上高は329億円。

2001年に丸紅が運営する「レヴァン」を吸収合併し、2002年からブランドをティップネスに統一した。現在の出資比率は、サントリーが71.40%、丸紅が28.57%。

サントリーHDは、今年5月に1.6兆円を投入して米ウイスキー大手ビームを買収した。佐治信忠会長兼社長は、早期に財務体質を改善し、あらたなM&A(合併・統合)を含めて、2020年にグループ売上高4兆円を目指すとの方針を示している。