東武百貨店テナント 弁当消費期限を改ざん 営業自粛、保健所が指導 /船橋

東武百貨店船橋店(千葉県船橋市)の地下1階食品売場で、総菜を販売するテナントが今年2月〜今月上旬まで、前日の総菜の残りを使用したり消費期限を改ざんした弁当を販売していたことが28日、東武船橋やテナント運営会社への取材で分かった。健康被害の報告はないという。東武船橋は、テナントが独自に定める社内規定に違反しているとして営業自粛を指示し、船橋保健所は口頭指導した。

 テナントは、全国約60カ所の百貨店で魚惣菜専門店を展開する「富惣」(大阪府堺市堺区)が運営する「魚味撰」。

東武船橋によると、7月2日に内部告発があり、テナントを調査。前日中に使い切るか廃棄すべき「五目煮物」などの総菜を弁当に使ったり、弁当30個の消費期限を5時間延ばして表示するなど、社内規定に違反して販売していた。

 また、その後の調査で、少なくとも売場を改装した今年2月20日から同様の改ざんを行っていたことも判明。テナントの店長は東武船橋の聞き取りに「朝の作業を軽減したかった」「ロスを減らしたかった」などと説明し、反省しているという。東武船橋が今月8日、船橋保健所に報告し、保健所は社内規定を順守させるよう東武船橋に口頭指導した。

 富惣によると、他の店舗で改ざんはなかったという。同社は「非常に重く受け止めており、今後は徹底管理していく」とコメント。東武船橋は「お客様の不安をあおらないためにも公表を控えた。テナントに任せている部分とはいえ大変残念」とした。

 食品衛生法は適正な期限の表示と設定を義務付けているが、期限は店側に委ねられている。

◆案内板に黒テープ
 「魚味撰」のあった売場は28日現在、別店舗が営業中。「当分の間、休業します」とする張り紙を掲載し、フロア案内板の店舗名は黒テープで隠している。