ブラジルの港・鉄道整備支援へ…穀物輸出後押し

政府は、ブラジルに対し、穀物の輸出や輸送に必要となる港湾や鉄道、道路などのインフラ整備を全面的に支援する。

 国際協力銀行から低利融資を受けた日本企業が、港湾設備の拡張や道路の建設などに参加することを想定している。ブラジルは世界有数の穀物輸出国。官民で輸出インフラを支えることで、日本としては、大豆やトウモロコシを安定輸入し、食料安全保障の強化につなげたい考えだ。

 安倍首相は8月1日にブラジルでルセフ大統領と会談し、支援を表明する。

 具体的には、日本企業が地元企業と組み、より大きな穀物運搬船が入港できるように、輸出に使う北部のイタキ港などを改修する。新たな鉄道も建設し、港までの道路は大型トラックが通れるように広げる。日本の大手商社はブラジルの農業関連の企業への出資を拡大する。

 日本は1979年〜2001年の間、ブラジル中部の「セラード地域」で、政府開発援助(ODA)を使った大規模な農業開発を支援した。支援開始からの30年間で、同地域の大豆生産量は5倍、トウモロコシは3倍に拡大した。日本のブラジルからの大豆の輸入量も10倍近い56・8万トン(08年)に増え、ブラジルは日本にとって米国に次ぐ2番目の輸入元になった。