積極的に種まき、研究開発や人材育成を優先=トヨタ社長

トヨタ自動車<7203.T>は17日、愛知県豊田市の本社で株主総会を開いた。豊田章男社長は冒頭、2014年3月期に営業利益が2兆2921億円と過去最高を更新し、「経営体質は確実に強くなってきた」と述べた。

グループ販売台数が初の1000万台超えとなり、「未知の領域では身の丈を超えた無理をしない」ことが必要とし、「経営資源を振り向けられる今こそ、将来に向けた種まきを積極的にする」として環境対応車の研究開発や人材育成を優先する方針を示した。

自動運転車の開発の方向性に関する株主からの質問に対しては、加藤光久副社長が「ドライバーが意志を持ち、意のままに操るのが車。人がまったく関与しない車を商品化するつもりはない」と説明。豊田社長も「交通事故死をゼロにしていくこと」が開発の目的と強調した。

総会には、4163人の株主が出席。過去最高だった昨年の4750人に続く2番目の規模だった。取締役選任のほか、年間配当を過去最高の1株当たり165円、総額6億5951万円の役員賞与支給、新設する財団に自社株を拠出するための決議など計6議案を可決した。