震災の影響大きく、十和田観光ホテルが破産

(株)十和田観光ホテル(TDB企業コード110108969、資本金5000万円、青森県十和田市奥瀬字十和田湖畔休屋486、代表田中光治氏)は、5月22日に青森地裁十和田支部より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は澤口英司弁護士(青森県八戸市北白山台1-8-26、澤口法律事務所、電話0178-27-7878)。

 当社は、国立公園十和田湖畔におけるホテル経営を主体に民芸品小売業を併営していた。ホテルは1950年(昭和25年)12月の設立来、長年の業歴を誇り、十和田湖畔休屋地区の中心地に位置していたことから2005年2月期には7億円近い収入高を確保していた。しかしその後の景気低迷から客足が鈍り、一方で本店の改修費用をはじめとした設備投資負担が重く、借入残高が年商を上回る水準に達し、長らく赤字が続いてきていた。このため取引行からは金利の減免や約定返済の一時繰り延べなどの支援を得ながらの経営であったが、十和田湖畔全体の集客力低迷から抜本的な経営改善に至らないでいた。

 ホテル部門では稼働率が低下する11月中旬から4月上旬までを休止し実働7ヵ月程度の営業としてきたが、2011年には、東日本大震災とその後の風評被害から稼働率が20〜30%にとどまり、団体客や海外からの観光客の減少が著しく売上げは前年の4割減にまで落ち込む。従業員を20名まで合理化し食事を大広間に限定するなど限界まで合理化に努めてきていたものの、光熱費や固定資産税などの負担が重く、先行きの見通しが立たないことから、2012年4月時点で冬季休業からの営業再開を断念しホテル事業を停止。実質休眠状態にあった。

 負債は債権者約40名に対し約9億円。