長崎・中3自殺 一部同級生「みんな共犯者」当日朝教室で

長崎県新上五島町で1月、町立奈良尾中3年の松竹景虎(まつたけ・かげとら)君(当時15歳)が自殺した問題で、学校側の聞き取り調査に対し、一部の同級生が松竹君が自殺した朝、教室で「(松竹君が登校してこなかったため)数人の会話で『みんな共犯者だよ』と言っている生徒がいた」などと回答していたことがわかった。町教委からの調査結果の開示を受けた両親らへの取材で分かった。父裕之さん(50)は「同級生が『自分たちのいじめのせいで死んだ』と認識していることを示す重要な言動だ」として詳しい調査を求めている。

 両親によると、松竹君は3学期の始業式があった1月8日朝、自宅を出たが、通学バスには乗らなかった。学校から「登校していない」との連絡を受けた両親が、自宅近くの町営グラウンドで首をつっているのを見つけた。

 町教委は同級生が卒業後の3月下旬〜4月中旬、同級生への2回目の聞き取り調査をし、結果を5月7日に両親に開示した。その内容や同級生の証言によると、松竹君が通学バスに乗っていなかったため、松竹君から無料通話アプリ「LINE」(ライン)で自殺する考えを伝えられていた同級生たちは騒ぎ始めた。

 登校直後の教室内の様子について、多くの同級生が聞き取り調査に「『やばいんじゃないか』と騒ぎになった」などと回答。一部の同級生は「(松竹君に)『うざい』と言っていた生徒たちが『もしかして自殺したのでは』と言っていた」「『全体責任だよ』と言う生徒もいた」と答えていた。その後「警察に捕まらないかな」との声も漏れていたという。

 しかし、教室に来た担任教師に、誰も松竹君が自殺する恐れがあることを伝えなかった。こうした状況について、同校の高尾良能校長は「本当に残念だ」と話す。