「桃川」「ねぶた」などを製造していた元・清酒メーカーが特別清算

(株)エム・ケー・スリー(TDB企業コード:120035006、資本金4320万円、青森県上北郡おいらせ町上明堂112 桃川(株)本店内、登記面=東京都杉並区堀ノ内3-45-7、代表清算人村井達氏)は、5月13日に東京地裁より特別清算開始決定を受けた。

 当社は、戦時統制下の国策に応じて青森県の13酒造業者が経営統合し1944年(昭和19年)12月、二北酒造(株)の商号で設立されたもので、その後、桃川(株)に商号変更し、青森県内有数の清酒メーカーとして高い知名度とブランド力を構築してきた。主に大手食品商社を介して、日本全国はもとより諸外国まで販路を拡大し、「桃川」「ねぶた」「杉玉」などのブランドで年間約2300キロリットルを出荷、全国鑑賞会などで多数の受賞歴を誇っていた。

 しかし、グループの販売会社であるノヴァ桃川(株)(その後(株)エム・ケー・ワンに商号変更、2014年3月特別清算)の業績低迷や、アメリカ現地法人の投資失敗から債務が膨らみ、金融機関への元金の返済を長らく棚上げしていた。2003年10月にはノヴァ桃川(株)が事業停止に追い込まれ、一方で青森県中小企業再生支援協議会を介した協議を続け調整を図ってきたが、スポンサー企業の選定が難航して打開策を見いだせず、青森県信用保証協会が代位弁済を実行して対外信用の低下を招いていた。

 このようななか、韓国の大象(デサン)グループがスポンサーに名乗りを上げ、同グループ企業の資本参加を受けて資金を捻出するとともに、金融機関から債務免除の承認を得てきた。2010年9月には会社分割により桃川酒類(株)(現・桃川(株))を設立し、2011年7月に事業譲渡を行って新・桃川として再スタートを切り、「桃川」などの主要ブランド商品の製造を継続。当社は休眠会社となり、その後、2013年12月5日付で開催された株主総会の決議により解散していた。

 負債は2011年6月期末時点で約27億円だが、変動している可能性がある。