NTTが「光サービス」卸売りへ 他社ブランドで契約数拡大狙う

NTTは来年度から光サービスの卸売を開始する。現行の光回線貸し出しに比べ、通信事業者は低料金で仕入れることができ、設備投資負担も不要になる。現行の自社ブランド「フレッツ光」は継続する一方、通信事業者向けにサービスの卸売を追加して販路を拡大。頭打ちだった契約数を伸ばしたい考えだ。NTTが基幹サービスを卸売りして他社ブランドでの販売に乗り出すのは初めて。13日に鵜浦博夫NTT社長が決算会見で表明する。

 現在、フレッツ光はNTT100%子会社のNTT東日本と西日本が販売しており、2014年3月期の契約数は1805万件。新規契約から解約を引いた純増数は74万5000件で減少傾向が続いている。

 総務省の情報通信審議会特別部会では、NTTグループの規制緩和や競争促進策が議論されている。ソフトバンクは光回線1本を8ユーザーで利用できる仕組みを利用して、ユーザーごとに貸し出すよう要求。NTT側は技術的な問題などから難色を示していた。

 ソフトバンクは現在、フレッツ光を代理店として販売しているが、卸売りになれば販売量による大幅な仕入れ価格の低減が見込めるほか、設備を保有しなくても自社ブランドで販売できるようになる。

 しかし、KDDIなどは「光サービスの卸売りが容認されれば、設備投資をする企業がなくなり、サービス競争が生まれなくなる」と強く反対。特別部会でも論議を呼びそうだ。