電子書籍複製ソフト製造容疑で逮捕 改正著作権法を初適用

電子書籍に施されている複製防止機能を外してコピーができるようになる不正ソフトを製造するなどしたとして、京都府警サイバー犯罪対策課と北署は19日、著作権法違反(技術的保護手段を回避するプログラムの製造)などの疑いで、横浜市のソフトウエア製造販売会社「インターナル」社長石田渉容疑者(37)=東京都港区六本木6丁目=と同社社員2人を逮捕した。
 電子書籍やDVDは、勝手にコピーができないようにするプログラムが施されている。府警によると、2012年施行の改正著作権法でこうしたプログラムを回避するソフトなどの製造を禁じた条文を適用して立件したのは全国初。
 電子書籍はネット上の電子書店で販売している。各書店は購入した電子書籍のデータを端末で読み取るための専用アプリを提供していることが多い。アプリを使った場合は通常、コピー防止機能によってコピーしたり別の端末と書籍のデータを共有したりできない仕組みになっている。
 逮捕容疑は昨年3月、電子書籍に施されているコピー防止機能を回避するようにプログラムされたソフトを販売目的で製造するなどした疑い。
 府警によると、石田容疑者は容疑を認め、ほかの2人は否認している。同社は昨年3月からこのソフトを販売し、約2800万円を売り上げていたという。