炎上リスクも 芸能人によるソチ五輪“便乗コメント”の背景

■ソチ五輪が芸能人に与える影響

 ソチ五輪での日本代表選手の活躍が話題を集めている昨今。選手たちの活躍は、多くの国民に勇気や感動を与えているが、こと芸能界に関しても五輪は大きな影響を与えている。芸能人が出演する映画の舞台挨拶やるPRイベントなどにおいても、この時期は「オリンピックは見ていますか?」などといった、五輪関連の質問が多く出る。

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イベント中に、司会者やMCから振られることもあれば、報道陣を前にした囲み取材の場で問い掛けられることもある。五輪だけでなく、サッカーW杯しかり、野球のWBCしかり、スポーツに限らず、ビッグニュースやイベントが話題を集めているタイミングではこういった傾向が目立つ。

 最近の例でいえば、ソチ冬季五輪で見事に金メダルを獲得したフィギュアスケート男子の日本代表の羽生結弦選手について、タレント・芹那が「王子様みたい」、俳優・福士蒼汰が「同世代としてうれしい」、人気子役の鈴木福くんが「スゴいですね」、女優・小芝風花が「手足が長くて、ジャンプも美しい」、萬田久子が「キレイな子ですよね」と、コメントしたことが、各メディアで報じられた。

■軽はずみな“便乗コメント”から炎上の憂き目に

 小芝に関しては、自身もフィギュアスケートを習っていたという多少の“関連性”はあるものの、他の芸能人にとっては単なる“時事ネタ”を振られたに過ぎない。とはいえ、気心の知れた友人同士の世間話ならいざ知らず、そういった場面で「五輪なんて見ていません」や「私とは別に関係ないです」などと答えようものなら、たとえ、それが本心だとしてもイメージダウンは必至だ。

 そうかと言って、あまりに“媚びた”発言をすると、「アイツは対して知識もないのに便乗している!」、「にわかファンのクセに偉そうに!」など“便乗コメント”として受け取られ、最悪の場合は、バッシングを受ける可能性すらある。

実際、過去にはそういった“被害”に遭った芸能人も多数いる。結局のところは、その芸能人が元々抱かれているイメージが、そのまま発言のイメージに繋がるのかもしれないが…。

■話題になってなんぼの芸能人といえどもリスクは高し?

 「ぶっちゃけた話、時事ネタ関連の質問は困りますね。突然振られるケースが多いので想定もつかないし、タレントには一応、『余計なことは言わず、たとえ詳しく知らなくても“興味がない”みたいなことだけは言うな』とは指導しています。それでも、マスコミの人とのやり取りの流れで、ポロッと口にした一言が、大々的に報じられて、槍玉に上がることもありますからね。時には『○○選手みたいなタイプは好き?』とか、“誘導”されることもありますし」と、苦笑交じりに明かすのは女性タレントのマネジャー。

 では、そういった質問をするマスコミサイドにはどういう意図があるのか?

 「別に深い意味はなく、ようは“お約束”みたいなものですよ。ウチらも常に旬だったり、話題性のある芸能人ばかりを取材しているわけではないし、『面白い発言があればオンエアしよう』くらいのスタンスで取材に行く時もありますからね。とくにPRイベントなんかは、そのまま取り上げても単なる宣伝にしかならないし、タレントさんには、多少のリップサービスくらいはしてもらわないと…」(民放テレビ局の情報番組の制作スタッフ)。

 中には、旬の話題に上手く便乗して、自身の注目度も高めようと虎視眈々と狙っている芸能人もいるようだが、何かと炎上しやすいこのご時世、リスクもそれなりに高そうである。