「死のゲーム」流行、一気飲みで若者5人死亡

フェイスブックなどのソーシャルメディア(SNS)で友人を指名してアルコール飲料などを一気飲みさせるゲーム「ネックノミネーション」が流行し、命を落とす若者が相次いでいる。

ユーチューブに投稿されたある動画。若い男性が「指名ありがとう」と笑ってスピリッツのボトルを開け、別の飲料と混ぜてジョッキに注ぐと一気に飲み干した。一呼吸置いてから「では○○(友人の名)を指名する。制限時間は24時間。さあやれ」

一気飲みする自分の姿をビデオで撮影し、友人を指名して同じことをさせるというのがこのゲームのルール。オーストラリアが発祥とされ、フェイスブックやユーチューブを通じて世界中に広まった。

軽いノリのゲームだったはずだが、これまでに自家製カクテルを飲んで少なくとも5人が死亡。いずれも30代未満の男性だった。
英国のサラ・ジャービス医師は、ネックノミネーションを「死のゲーム」と形容する。「自分が危険にさらされているという認識がなくなり、危険に対処する能力にも影響が出るのがアルコールだ」と同医師は警鐘を鳴らす。

ゲームはエスカレートの一途をたどり、スピリッツに死んだネズミを入れたり、トイレの水を飲んだり、アルコール飲料に金魚や昆虫、エンジンオイルなどを混ぜたりする若者も現れた。

英国では学校に対して生徒の啓発を求める声が出ているほか、SNSに対応を求める声も強まっている。息子が指名されてプレッシャーをかけられたという父親は、「息子にも腹が立ったが、それ以上にSNSに腹が立った」「SNSの側で何らかの対策を講じる必要がある」と訴える。

これに対してフェイスブックは、「一部の人たちが不愉快あるいは問題だと思う行為でも、必ずしも規定に反するとは限らない」とコメントしている。