平田被告「申し訳ない」=被告人質問始まる―東京地裁

オウム真理教による仮谷清志さん=当時(68)=拉致事件の逮捕監禁罪などに問われた元幹部平田信被告(48)の裁判員裁判の第15回公判が17日、東京地裁(斉藤啓昭裁判長)で開かれ、被告人質問が始まった。平田被告は冒頭、「仮谷さんや遺族にとどまらず、教団の犯罪の被害者の皆さま、申し訳ありませんでした」と謝罪した。
 平田被告はその後、弁護人の質問に答えて教団との関係を話した。それによると、1987年に教団前身のヨガ教室「オウム神仙の会」に入会し、同年5月に元代表松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(58)に初めて会った。松本死刑囚について「非常に迫力があり、圧倒されるものを感じた」と振り返った。
 同じ年齢のいとこが事故死する出来事があったといい、「現世への関心よりも修行で死を超える体験をしたいという思いが強くなった」として、同8月末に出家した。「麻原の迫力に引きずり込まれた」とも話した。
 平田被告は初公判で「(拉致の)認識の共有がなかった」と起訴内容を一部否認。マンションに爆弾を仕掛けて爆発させた事件は「指示されていない」と無罪を主張し、教団拠点に火炎瓶を投げた事件は認めていた。