ソニー、パソコン事業売却へ 国内ファンドと新会社

ソニーが「VAIO」ブランドのパソコン事業の不振を受けて、国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(東京)と新会社をつくって事業を移す交渉に入ったことがわかった。ソニーは新会社の株式の過半数を持たない方向で、パソコン事業を事実上、売却することになる。

 ソニーはパソコンを含めた電機事業の赤字が続いており、パソコン事業の立て直し策を検討してきた。新会社でも「VAIO」ブランドで販売は続けるが、海外事業については撤退も含めて検討を進めている。

 パソコン生産の大半はすでに他社への委託も含めて海外に移しているが、国内では唯一、長野県安曇野市の拠点で一部の製品の生産を手がけている。

 「VAIO」は1996年に発売され、洗練されたデザインなどで世界的に人気を集めた。ただパソコンはアジアのメーカーなどとの競争が激しく値下がりが続き、各社とも採算確保が厳しい状況だ。

 最近はスマートフォンやタブレット端末が普及して競合も進んでいる。新興国での販売不振もあり、ソニーの2013年度のパソコン販売台数は580万台と前年の760万台から2割ほど落ち込む見通しだ。