サムスン、成長神話に陰り…最高益もスマホ減速

サムスン電子が24日発表した2013年12月期連結決算は、売上高が前期比13・7%増の228兆6900億ウォン(約22兆8700億円)、営業利益が26・6%増の36兆7900億ウォン(約3兆7000億円)で、いずれもこれまでの最高だった。
ただ、13年10〜12月期は収益の柱であるスマートフォンの販売不振で営業利益が前年同期比6・0%減の8兆3100億ウォン(約8300億円)にとどまり、約2年ぶりに前年実績を下回った。IT(情報技術)・電機業界で世界を席巻するサムスンだが、成長神話には陰りもみられる。

 13年12月期決算では、タブレット型端末の売上高が前期比2倍となるなど、主力のIT・携帯電話部門の営業利益が前期比28・5%増と増益に貢献した。半導体も販売が好調で業績を押し上げた。

 サムスンは半導体や薄型テレビなど、日本が得意としてきた製品でシェア(市場占有率)を奪い、業界をリードしてきたが、現在はスマホやタブレットが営業利益の3分の2を稼ぎ出す。

 スマホ市場は米アップルが主導して拡大する中、サムスンは電子部品を自社で製造してコストを抑え、シェアを伸ばしてきた。13年3月にベトナムで大規模な製造工場の建設を始めるなど生産拠点を海外に分散しており、通貨ウォン高の影響を抑えている。

 だが13年10〜12月期は、特別賞与の支給など費用増の影響があったものの、アップルとの競争激化でスマホ販売が伸び悩んだことが営業減益の要因となった。