三菱自が公募増資などで最大2416億円を調達、優先株の処理に充当

三菱自動車<7211.T>は7日、公募増資などで最大約2416億円を調達すると発表した。調達資金で三菱グループ4社が保有する優先株の大半を取得。長年の課題だった資本問題に区切りをつけ、普通株の復配を目指す。

発行する新株は2億1775万株。需要に応じて行うオーバーアロットメントによる売り出しは最大2325万株。新株の発行価格は1月22─24日に決定。払い込み期日は1月29─31日に決定する。

三菱自は業績が低迷する中、2000年にリコール隠しが発覚し、04年からは三菱グループ各社に優先株を発行して再建を進めてきた。現在、三菱重工業<7011.T>、三菱商事<8058.T>、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行が約3808億円の優先株を保有している。

三菱自は、調達資金で優先株の大半を買い取って消却する。一部の優先株は普通株に転換し、三菱重工、三菱商事、三菱東京UFJ銀行が保有。3社は計34%の議決権を持つ安定株主として三菱自の後ろ盾となる。

三菱自の14年3月期連結当期利益予想は前年比2.6倍の1000億円で、2年連続の過去最高益を見込む。業績が安定し、配当を出す環境が整ってきたが、優先株がある限り、配当は優先株主が優先される。99年3月期以来、無配が続いていた普通株主に報いるため、優先株を全て処理する。