野菜の値段下がらず 正月の食卓直撃、天候不順と原油高影響

20131228-00000100-san-000-6-view野菜の小売価格の高騰が続いている。農林水産省によると12月の小売価格は、キャベツが前年同期に比べ1・7倍、ハクサイが1・4倍に上昇。原油高などの影響で今後も値上がりする可能性があり、正月料理などの準備に追われる家計をますます圧迫しそうだ。

 農水省が定期的に実施している調査では、12月16〜20日の野菜小売価格の全国平均は、キャベツが1キロ222円で前年同期より90円高、ハクサイが同167円で49円高、ダイコンが同154円で27円高−と、葉物野菜を中心に値上がりしており、平年に比べても3〜6割ほど高い状態が続いている。

 値上がりの原因は、夏以降の天候不順と、原油高などの経済状況だ。

 農水省によると、野菜小売価格は猛暑の影響で7月に高騰し、豊作だった昨年に比べキャベツが1・5倍(平年比1・1倍)レタスが1・4倍(同1・4倍)に値上がりした。

 その後も10月以降は台風被害により、11月中旬以降は急激な気温の低下により、一時はキャベツの値段が昨年の2倍に高騰。農水省園芸作物課の担当者は、「今冬はとくに葉物野菜の生育がよくない。しかも大きくならないうちから収穫しなければならず、小売価格を引き上げている」と話す。

 最近の原油高なども、生産現場のコストアップにつながり、値上がりの遠因になっている。

 資源エネルギー庁によると、ビニールハウスの燃料用重油は前年比で1割以上上昇。産地では節約のためハウス内の温度を下げる動きも出ており、「トマトなどの生育に悪影響を及ぼしている可能性もある」(農水省関係者)。

 12月のトマトの小売価格は1キロ775円で前年同期より52円高く、平年の1・2倍だった。

 東京都内の青果店の経営者(36)は、「値札の数字を上げないよう、ふだんは1袋に4個入れているトマトを3個にするなどして対応している。年末の書き入れ時に、野菜の高騰は厳しい」と話していた。