11年前の乳児遺棄、供述の雑木林で見つからず

生後間もない長女と次女を置き去りにした東京都大田区の夫婦が11年前、埼玉県内に遺棄したとされる長男について、警視庁は10日、夫婦の供述に基づき、埼玉県内の雑木林を調べたものの、発見できなかったと発表した。

 同庁は10日、夫の戸沼英明(32)、妻の千恵美(31)両被告(共に保護責任者遺棄罪で起訴)を保護責任者遺棄致死と死体遺棄容疑で東京地検に追送検。既に公訴時効が成立しており、不起訴となる見通し。

 発表では、2人は2002年5月、当時住んでいた同県上尾市のアパートで、生後2か月の長男がぐったりしているのに、病院に連れて行かずに死亡させ、袋に包んで近くの雑木林に遺棄した疑い。2人は「長男を死なせたことを罪に問われるのが怖くて捨てた」と供述している。ただ、当時雑木林だった場所の大半に約3年前、住宅が建ち、周辺で乳児の遺体が見つかった記録もなかった。