興毅防衛戦に苦情殺到…TBSも異例の判定時間「想定外」

20131127-00000035-dal-000-9-viewTBSの佐々木卓編成局長は27日、東京・赤坂の同局で会見し、韓国・済州島で19日に行われた、WBA世界バンタム級王者・亀田興毅の防衛戦の生中継について、「(視聴者から)大変多数のお叱りを受けた。(放送終了後は苦情の)電話が鳴り止まなかった」と苦情や抗議の電話が殺到したことを明かした。定例の社長会見の席上、記者の質問に答えた。

19日の試合では、亀田が10回にダウンを奪われながらも、孫正五(韓国)を2‐1の判定で下し、8度目の防衛に成功した。しかし、試合を生中継したTBSの番組が、判定結果が発表される直前に終了。午後10時54分までの放送予定を、同11時9分まで延長したが、それでも判定の集計に時間がかかったことから、結果を伝えられなかった。

 CMをはさんで放送された「NEWS23」の冒頭の映像では既に興毅がトロフィーを受け取っており、勝利の瞬間は伝えられなかった。

 佐々木局長は、これまで亀田戦などボクシングの試合を数多く中継してきた同局の経験則から、今回は「最大延長15分」で準備してきたことを明かし、「結果として想定の枠に入らなかったのは編成上の問題と思って反省している」と“謝罪”した。

 これまでは、試合終了から判定までの時間を6分間残すという基本的なフォーマットで放送してきており、「これまでは大きな事故は1回もなかった」と説明。生中継したTBSすら「想定」を超える異例の長時間判定だったことを認めた。

 今回、判定に時間がかかった理由について、佐々木局長は「ハーフポイントシステムという新しいシステムや僅差の判定だったこともあり、初めてのケースとして集計が遅れた」と分析。改めて「そこも含めて想定しえなかったのは、編成上の問題」と反省を口にした。

 また、視聴者からは「(放送終了後に)大変多数のおしかりを受けまして、電話が鳴り止まない状態になった」と明かした。

 TBSが中継した興毅の試合を巡っては、WBAライトフライ級王座決定戦となった2006年8月のファン・ランダエタ戦で、「判定がおかしい」などと“疑惑の判定”をめぐる抗議や、番組開始から1時間半後に試合が始まったことに対し、「いつ試合が始まるのか」といった苦情など、試合から1日で計5万件以上の抗議や苦情の電話やメールが殺到したことがある。