四輪車、20年までに発売=試作の小型車公開―ヤマハ発

20131120-00000555-san-000-4-viewヤマハ発動機は20日、自動車事業に参入することを明らかにした。同日開催の東京モーターショーの報道公開の場で柳弘之社長が明らかにした。同社は、東京ショーで、小型四輪自動車の試作車「MOTIV(モティフ)」を披露した。2010年代の市販化に向け開発を進めているという。柳弘之社長はモティフについて、「二輪車で培った技術を駆使し、人機一体感による楽しさと軽快感をもたらす車だ」と説明した。

軽自動車規格での電気自動車(EV)、排気量1000ccのガソリン車としての展開を想定。販売は、日本以外での展開も含め検討しているという。今回の試作車は、自動車レースの最高峰F1シリーズの車を手掛ける著名自動車デザイナーのゴードン・マーレー氏の会社と共同開発した。

 ヤマハ発にとっては、トヨタ自動車と共同開発し、1960年代に発売したスポーツ車「2000GT」以来の四輪自動車となる。92年にスポーツカー「OX−99」を発表し、発売を模索したが、経済環境の悪化などを背景に、取りやめた経緯もある。

 一方で、ヤマハ発は、トヨタ自動車向けにガソリンエンジンを供給するなど、自動車向けの事業は現在も継続しており、事業化が図りやすいとみている。

 加えて、新興国などでは経済発展の高まりとともに、二輪車から四輪車の乗り換えが起こっている。二輪車での競合相手のホンダは二輪車の高いブランドイメージを生かし、自動車販売を優位に進めている。ヤマハ発も、二輪車のブランドイメージを使った販売は相乗効果が見込めると判断したもようだ。