藤井フミヤ チェッカーズ解散をファンに謝罪「すみません」

11月12日、歌手・藤井フミヤ(51)が東京・渋谷のSHIBUYA-AXで「復活!カウントダウンライブ青春『50日前夜祭』」を行なった。今年は、5年ぶりに日本武道館での年越しライブが決定。本人も「50日前夜祭…無理矢理ですが」と笑いながらも、現在全国を回っている30周年記念ツアーと同じようにチェッカーズナンバーを中心に約2時間にわたり、歌い続けた。MCでは、久しぶりのカウントダウンライブについて言及した。

「(スタッフに)カウントダウンやりましょうと言われて、お客さんが入るならと。最近、年越しそばを食べて、おせちを食べる普通の生活に戻れたんですが(笑)」

 1999年に日本武道館史上初のカウントダウンライブを開催し、2008年まで10年連続で続けたフミヤ。1983年、チェッカーズのリードボーカルとしてデビュー以来、日本武道館のステージに100回以上立ち続けてきた。

 この日のライブは6日前にチケットが発売され、即完売。会場前にはダフ屋が現れ、終演後には生写真が売られている。30年間変わらない光景がそこにはあった。とはいえ、当時10代だったチェッカーズファンも、フミヤとともに年を取り、今や30〜40代が中心だ。そのファンを前に、フミヤはこう謝辞を述べた。

「チェッカーズは良い思い出も、悪い思い出もありますが(会場笑い)、今となっては良い思い出です。勝手に解散して、泣かせて、すみませんでした。そのあと、どうなるかなと思ったけど、また戻ってきてくれて本当に感謝しています」

 通常のライブであれば、『I Love you, SAYONARA』『Room』『素直にI’m Sorry』などチェッカーズ時代の曲が流れると、会場は大歓声に包まれることも多いが、この日のファンは冷静だった。おそらく、9月から始まったライブツアーに何度も足を運んだリピーターが集まったためだろう。それだけ根強い固定ファンを持っている証拠といえる。

 だが、『HEART IS GUN 〜ピストルを手に入れた夜〜』のイントロが流れた瞬間、会場は地鳴りのような歓声が響いた。1989年発売のアルバム『Seven Heaven』に収録されたこの曲は、チェッカーズのライブで盛り上がる人気曲で、間奏中にフミヤが「高杢、あばよ」「政治、あばよ」「尚之、じゃあな」などと他のメンバーを銃で撃ち殺す寸劇も行なわれていた。この日も銃のようなものを持ち、客席に向けるパフォーマンスで会場のボルテージを上げ、ファンも当時のままの振り付けで踊り、会場は一体感に包まれた。

 その後、1986年発売のシングル『OH!!POPSTAR』のB面『おまえが嫌いだ』が流れると、ファンの熱気はピークに。これまた、チェッカーズ時代にライブで何度も演奏された名曲にファンは酔いしれた。「また一緒に遊ぼうぜ!」と25年前と変わらないセリフでフミヤは会場を後にした。