イセエビ 三重の浜値が倍に 食材偽装批判で本物需要増?

20131115-00000003-maiall-000-1-view三重県内のイセエビの浜値が高騰している。食材偽装の批判を受け、高級ホテルやレストランなどが本物のイセエビ使用に切り替えたのが要因と見られ、漁が解禁された10月当初に比べ、軒並み5割から倍近い値上がりとなっている。

農林水産省がまとめた2011年のイセエビの漁獲高は、三重県が213トンで最も多く、次いで和歌山県、千葉県の順。県内では志摩市の79トンを最高に、紀北町31トン、南伊勢町25トン、尾鷲市20トン、熊野市18トンと続き、鳥羽市は15トンだった。

 14日、県内の主な市場で行われたイセエビの取引は次の通りだ。漁が最も盛んな志摩市の三重外湾漁協志摩支所和具事業所は、約200キロが水揚げされ、人気の中型は1キロ7600円で取引された。10月初めは約4000円だったことから倍近い値上がりだ。尾鷲市の尾鷲漁協は22キロの水揚げがあり、1キロ6000円で取引された。10月当初は4200円だった。

 一方、鳥羽市の鳥羽磯部漁協石鏡支所は34キロの水揚げがあり、1キロ6500円前後で取引された。同漁協相差支所では30キロが取引され、中型で1キロ7630円だった。10月当初は4000〜5000円だったため、かなりの高騰だ。

 鳥羽磯部漁協の藤原隆仁常務は「こんなにも値上がりしたのは、たぶん一連の偽装問題が原因だと思う。特に、おせち料理にイセエビは欠かせないため、値上がりに拍車をかけている」と分析している。和具事業所は「仲買人を介しているので、一連の(偽装)問題なのかどうかは分からない」と話した。