ラーメンに続き“袋うどん”ブームが到来

「マルちゃん正麺」の大ヒットで盛り上がった袋めん市場で、新たなバトルが勃発している。大手メーカーがこぞって「袋うどん」を投入しているのだ。

火付け役となった東洋水産の「マルちゃん製麺 うどん」に始まり、「日清のどん兵衛 生うどん食感」(日清食品)、「熟練屋 うどん」(テーブルマーク)など、すでにヒットを記録している商品も少なくない。

この一連の“袋めんブーム”について、インスタントめん研究家の大山即席斎氏が解説する。

「1990年代、2000年代と袋めん業界はカップめんに押されていて、CMの量もカップめんに比べると圧倒的に少なかった。しかし一昨年、『マルちゃん正麺』のCMに大物俳優の役所広司さんが起用された。メーカーの力の入れ具合がわかるというものです。新たに発売された各商品はゆでるとすぐにほぐれ、特にマルちゃん正麺はめんがお湯の中で踊りだす。そして、食感はこれまでの商品とはまったく違うほど改良されている。約55年前に袋めんが登場して以来の緩やかな変化が、マルちゃん正麺の登場とともに一変し、新時代に突入したのです」

袋ラーメンはそのハイレベルな味でブームとなったが、袋うどんの実力はどうか? 大山氏に実食レポートしてもらった。

まず、「マルちゃん正麺 うどん」から。

「見た目からつややかで透明感すらありますね。食感も今までの袋うどんとはまるで違う。生めんのようなつるつるしこしこのストレートめんで、口の中にするりと入っていきます。つゆは醤油ベースで関東人が好む味。しつこくなくて飲むにも躊躇しない上品さ。トッピングを工夫すれば、飲食店で提供するうどんと大差ないくらいになりそうです」(大山氏)

続いては、「日清のどん兵衛 生うどん食感」。

「めんは『マルちゃん正麺 うどん』に比べると薄くて幅が広く、噛み応えがありますね。ゆで上がり時のコシとつやもしっかり両立しています。スープは『マルちゃん正麺 うどん』よりさらにさっぱりで、昆布をベースにしつつ魚介系のだしが効いています。これは東西どちらの人にもウケる味。めんと合わせてこの完成度、相当ハイレベルですね」(大山氏)

最後は、「熟練屋 うどん」。うどんには自信とノウハウを持つメーカーの商品だけに、こちらも侮れない。

「先に食べたふたつの商品に比べると、めんの断面からして違います。角が取れていない四角い形状で、また、ドライの状態ではノンフライなのにソフト。そのあたりが特に同じノンフライめんを使用する『日清のどん兵衛 生うどん食感』とは違いますね。食感もふっくらもちもちで弾力がある。つゆは昆布だしが香り、他メーカーの商品と比べると、より西日本向けといった感じ。讃岐うどんで有名な香川県にバックボーンのあるブランドならではの商品といえます」(大山氏)

ひとことで言えば、どれもハイレベル。百聞は“一食”にしかず。ぜひ食べ比べて、自分好みの一品を見つけてほしい。