天安門車炎上事件から1週間 事件の経緯非公開に当局への批判も
中国・北京の天安門前に車が突っ込み炎上した事件から、4日で1週間となった。中国当局は、ウイグル独立派組織が指示したテロ事件と断定しているが、市民の間には、事件の経緯がほとんど公開されていないことへの不満が出るなど、当局への批判の声も上がっている。
4日朝に取材した北京市民の事件の受け止めには、組織的なテロとする当局の発表と、温度差が感じられる。
北京市民は、「事件は、テレビで知った。(原因は)たぶん怒りでしょう」、「社会へ不満を持っているからでしょう」と話した。
中国当局は、事件の背景や詳細を公表しておらず、ネット上には「事件の経緯公開を」のほか、「少数民族への弾圧が事件の原因だ」との趣旨の書き込みが見られ、中国政府に批判的な意見も見られる。
こうした書き込みは、すぐに削除されている。
また、海外メディアの取材に対し、テロとの断定に疑問の声を上げたウイグル族学者・イリハム・トフティ氏が2日、北京の自宅を車で出ようとしたところ、治安当局の車に追突され、脅迫を受けていたことが、関係者の話でわかった。
北京では、今週末から、中国共産党の重要会議が開かれる。
習近平指導部は、少数民族問題が自らの足元を揺るがしかねないとの警戒感を強めており、今後、情報統制とウイグル族への監視を徹底していく構え。