安全確認「不可能」=運転手に無罪、5人死傷事故―神戸地裁支部

兵庫県西宮市で5人が死傷した交通事故で自動車運転過失致死傷罪に問われた男性(44)の判決が28日、神戸地裁尼崎支部であった。飯畑正一郎裁判長は「車両の接近に気付くことは不可能で、過失は認められない」と述べ、無罪(求刑禁錮1年4月)を言い渡した。
 事故は2010年12月に発生。駐車場から国道に出ようと左折した男性の車が、右側から来た車と接触。さらに、その車が対向車2台に衝突し1人が死亡、4人が重軽傷を負った。
 飯畑裁判長は、右側から来た車が制限速度を約20キロ超過しており、男性が一時停止地点で右方向を確認しても目視できる距離になかったと認定。「男性に安全確認を求めると、永久に発進できなくなる」と述べ、「注意義務に反したとは言えない」と判断した。