NHK、架空発注で職員を処分

NHKの吉国浩二専務理事は16日、NHK記者クラブで会見を開き、放送技術研究所職員の不祥事とそれに対する処分について報告した。

 先立ってNHK広報部から報道各社に送られたFAXでの処分説明によると、処分内容は懲戒免職で、対象者は放送技術研究所テレビ方式研究部の濱崎公男主任研究員(55)。

 同研究員は平成24年3月、放送技術研究所のスタジオの音響設備について業者と相談して架空の工事を発注し、代金名目で総額279万3000円を協会から業者に不正に支払わさせた。

 また同研究員は平成20年から23年にかけて、この業者から3回にわたってデジタルカメラやパソコンなど併せて百数十万円相当の物品を受け取っていた。これに対してNHKは今後、捜査当局に詐欺の容疑で告訴状を提出する、としている。

 当時の上司に対しても部長(当時)を譴責、副部長(当時)を減給処分とした。また久保田啓一理事(当時放送技術研究所所長)を会長による厳重注意、藤沢秀一放送技術研究所所長(当時放送技術研究所副所長)を厳重注意とした。

 NHKはこの一件に関して「NHKがコンプライアンスの徹底に総力を挙げて取り組んできたなかでこのようなことが起きたことは極めて遺憾です。視聴者の皆さまに深くおわびいたします。工事の発注や完了後のチェック体制を強化するとともに、綱紀粛正に努めてまいります」とコメントを発表した。