ドコモがポイントサービスを再改定。長期利用者の冷遇は改善された?
今年6月に「ドコモプレミアクラブ/ドコモプレミアビジネスクラブ」のポイントサービス改定を発表し、長期利用者から「改悪だ!」と、一斉に批判を浴びたNTTドコモ。そのドコモが、iPhone5s/5c発売後すぐの10月3日、再びポイントサービスの改定を行った。
「前回の改定は指定サービスに加入していることが条件でした。長く使っていただいているお客さまから『サービスに入っているかどうかという物差しが入ること自体がおかしいんじゃないか』などのご意見が寄せられ、今回、再改定することになりました」(NTTドコモ広報部)
※参考記事「ドコモの『ポイントサービス改悪』に泣くのは長期契約者」
http://wpb.shueisha.co.jp/2013/08/05/20915/
ケータイの料金制度に詳しいフリーライターの後藤一泰氏と、再改定された中身を検証しよう。
「前回発表された改定でいちばん反発を買ったのは、15年超の長期利用者でも、有料サービス未加入だと『ベーシックステージ』に格下げになってしまうことでした。これまで利用料金100円当たり4ポイント(1ポイント=1円相当で利用可)付与されていたポイントが、1000円当たり5ポイント、率にして約9割も削減されてしまう内容だったのです」(後藤氏)
そこは改善されたのか?
「内容は大きく変更されています。ステージ維持に必要だった有料サービス(『あんしんパック』『ケータイ補償お届けサービス』など)がオプション扱いとなり、現行制度と同様、継続利用期間だけで上位ステージを維持することが可能になったのです」(後藤氏)
それなら長期利用者も胸をなで下ろすことができる?
「ところが、ステージごとの内容をつぶさに見ると、有料サービスをカットした分、付与されるポイントの率も削減されているのです。現行制度で月々の利用料金に関係なくプレミアステージにランク付けされる10年以上の利用者は再改定後もプレミアステージです。しかし付与されるポイントは1000円当たり20ポイントとなり、現行から半減します。
また15年以上の利用者は、プレミアステージからグランプレミアステージに“格上げ”となりますが、こちらも有料サービス未加入なら、ポイントは1000円当たり25ポイントに。現行の100円当たり4ポイントが大幅に下がることになり、“格が上がって冷遇される”という、ウソみたいなホントの話になってしまうのです。
結局、有料サービス未加入の利用者のほとんどは『再改定』でもポイント付与率が半分に。しかも、『ポイント付与のベースを100円当たりから1000円当たりにすることでの端数の切り捨て』という前回の改悪部分については据え置かれたままです」(後藤氏)
この「長期利用者は現行制度と比べてポイント付与率が下がる」という点についてドコモに確認すると……。
「それはお客さまによります。必ずしも上がるわけでもなければ、下がるわけでもありません。お客さまの契約の状況によって細かく異なるため、皆さんが得をするとか損をするとかいうことではないですね」(同社広報部)
確かに、「再改定」で得をする人がゼロというわけではない。
「15年以上の長期利用者で、これまでも指定の有料サービスに加入しているDCMXカード(ドコモのクレジットカード)利用者は付与率が100円当たり4ポイントから1000円当たり50ポイントとなり、優遇されることになります。また上位カード『DCMX GOLD』の加入者は、契約年数に関係なくゴールドステージに昇格し、ポイント付与率が1000円当たり100ポイントになります」(前出・後藤氏)
指定サービスの月数百円やゴールドカードの年会費1万500円を払えばポイント付与率がアップ。払わないとポイントは半分に――、これをどう捉えるかは、ユーザー次第だ。