TPP首脳会合終了、声明は曖昧なものに

20131005-00000079-san-000-5-viewインドネシアのバリ島で行われたTPP(=環太平洋経済連携協定)の首脳会合が終了した。年内妥結に向け、今回、大筋での合意を目指していたTPP首脳会合だが、声明は曖昧なものとなり、交渉の難しさを物語る結果となった。

 TPPをめぐっては当初、今回の首脳会合で「大筋で合意」し、年内に「交渉を妥結」するという段取りを描いていた。しかし、交渉を主導してきたアメリカのオバマ大統領が直前になって会合をキャンセル、協議の行方が危ぶまれていた。

 声明には「TPPは妥結に向かっている」「閣僚と交渉官が交渉を大きく進展させた」と書かれ、成果が強調された。政府関係者は「初めて首脳レベルで年内妥結に向けた姿勢を確認できた。これは『大筋合意』だ」と話している。しかし、結局、声明は年内妥結をするために各国が努力する事には合意したが、期限が明確に区切られることはなかった。

 事実、交渉を主導するアメリカに対し、今も知的財産や国有企業の在り方のルール作りで激しく反発するマレーシアのナジブ首相は「年内妥結は理想だが、確実ではない」と述べ、さらに、メキシコのペニャ・ニエト大統領も「期限はないと思っている」と話している。

 政府関係者は「首脳同士で期限さえ決まれば交渉は一気に進む」としているが、この状態であと2か月余りで妥結するのは非常に厳しいとの見方も広がっている。