九頭竜湖事件 林被告を再逮捕…別の女性傷害致死容疑

女性飲食店員を殺害し、遺体を冷凍庫に入れて福井県大野市の九頭竜(くずりゅう)湖に捨てたとして殺人などの罪で起訴された林圭二被告(40)=岐阜県美濃加茂市=が、元交際相手の別の女性を暴行して死なせたとして、愛知県警は5日、傷害致死容疑で再逮捕した。林容疑者は「黙秘します」と供述しているという。

 県警によると、女性は愛知県小牧市出身の無職、浅埜(あさの)江里さん(当時26歳)。逮捕容疑は、林容疑者は2009年7月10日ごろ、自宅で浅埜さんの首に鎖を巻き付けた状態で立たせたまま放置し、浅埜さんを窒息死させた疑い。林容疑者は04年ごろから一緒に住んでいた浅埜さんに対し、日常的に暴行を加えていたという。また浅埜さんの死後に冷凍庫を購入し、遺体を冷凍して切断、長野県や岐阜県の山やダム数十カ所に遺棄したとされる。冷凍庫は九頭竜湖で使用されたものと、ほぼ同型という。また林容疑者の腕時計の文字盤部分からは骨片が見つかったという。

 林容疑者と同時に起訴された渡辺智由(ともゆき)被告(35)=岐阜県富加町=が12年末、調べに対し「(林容疑者の)指示で、別の女性の遺体をバラバラにし、山林に投げ捨てた」と供述。県警は供述通りに遺体の一部を発見、浅埜さんのDNA型と一致した。

 2人は13年3月、浅埜さんになりすまし、浅埜さんの知人男性にメールを送って約85万円をだまし取ったり、浅埜さんの口座から約525万円の金を引き出したりしたとして、詐欺や窃盗の容疑でも逮捕、起訴されている。