米アップル特許侵害、日本人男性へ3億賠償命令

20130926-00000717-yom-000-7-view携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」のリング状の操作ボタンを巡り、米アップルが特許権を侵害しているとして、発明家の男性側がアップル日本法人に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(高野輝久裁判長)は26日、特許権侵害を認め、同社に約3億3600万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

 原告側によると、アップルの主力商品を巡り、特許権侵害を理由に同社に賠償を命じた判決は国内では初めてだという。原告側は製品販売の差し止めは求めておらず、iPodシリーズの販売に影響はない。

 問題となったのは、「クリックホイール」と呼ばれるリング状ボタン。指でなぞることで、演奏する楽曲を選択したり、音量を調整したりできる。

 判決は、この技術を搭載したiPodシリーズ5機種は、2006年に登録された男性の特許権を侵害していると判断。ただ、賠償額については、「5機種の売上高は5900億円を超え、原告の発明の寄与度は100億円を下らない」とする原告側の主張は採用せず、大幅に下回る認定をした。

 原告側は賠償額が低すぎるとして控訴する方針。アップル日本法人は「ノーコメント」としている。