ヒグマ 北海道「例年より増」予想 ドングリ生育悪く

20130923-00000005-mai-000-4-view北海道は、今秋のヒグマの出没について「例年より増える」との予想を発表した。餌となるミズナラなどのドングリの生育が全道的に悪いことから、餌を求めて市街地や農地へ現れる恐れがある。また、キノコ採りなどで山に入る機会が増えるため、道は10月31日までを「秋のヒグマ注意特別期間」として注意を呼びかけている。

道生物多様性保全課によると、道は毎年8〜9月、北海道大やNPOなどの協力を得てドングリ類の生育状況を調査、今年のミズナラはほぼ全道的に凶作。一方、ヤマブドウやサルナシ、道南のみに生育するブナは豊作または平年並みの傾向にあり、ヒグマの出没状況に地域差がある可能性もある。

 ミズナラやブナの凶作がヒグマの出没に影響することは、道立総合研究機構(道総研)が道南の渡島半島で実施した調査で指摘されている。道内ですべての木の実が凶作だった2011年秋は、道の予想通りヒグマの出没が相次ぎ、予想を始めた05年以降で最多の320頭が捕獲された。道総研環境・地質研究本部の間野勉企画課長は「食べ物を求めヒグマの活動範囲が広くなり、その中に畑や住宅地が含まれることがある。人間も、生ゴミの管理や、農作物を畑に放置せずに収穫するなどの対応が必要だ」と指摘している。