無理な潜水やめて 八重山病院が注意喚起

スキューバダイビングの潜水後に発症する減圧症の患者が八重山地区で増えており、県立八重山病院が無理な潜水を控えるようダイバーに呼び掛けている。ダイビング客の無理な潜水や、客の要望に応えるダイバーの過密スケジュールが原因と指摘されている。八重山ダイビング協会は9月中旬、会員80人余に注意メールを送った。
 同病院には8月26日に今年最初の患者が来院して以降、9月16日までに計5人が手足のしびれやめまいなど減圧症の症状を訴えて受診。
 うち51歳の男性は下半身の筋力低下で歩行ができず重症という。
 減圧症は、潜水中に圧縮された体内の窒素が急浮上などで気化し、血管を閉塞(へいそく)して発症する。疲労や睡眠不足など体調不良が発症要因ともなる。
 来院患者5人のうち観光客4人、インストラクターは1人だった。
 うち3人は1日3回潜水しており、過密な潜水スケジュールが発症を招いた可能性があるという。
 同病院麻酔科の上原真人医師は「症状が出なくても負担は蓄積する。ダイバーの1日の潜水回数が以前より増えており、安全管理を徹底してほしい」と呼び掛けている。
 八重山病院から連絡を受けて注意メールを送った八重山ダイビング協会の園田真会長は、「お客さんの要望が多様化し、30メートル以上潜りたいとの要求もある。ショップによっては要望を断れず、無理することもある。お客さんや従業員の安全のためにも責任ある対応が求められている」と指摘している。