汚染水漏れ問題、民主に飛び火…政権追及に逆風

20130919-00000051-reut-000-0-view東京電力福島第一原子力発電所事故の汚染水漏れ問題は、当時経済産業相だった民主党の海江田代表が汚染水流出を防ぐ東電の遮水壁設置先送りを容認していたことが明らかになり、同党に飛び火した。

 民主党は汚染水問題で安倍政権への攻勢を強める構えだが、政府・与党からは「民主党政権の対応こそ問われる」との指摘が出ている。

 民主党の大畠幹事長は18日、首相官邸で記者団に対し、海江田氏の発言について「事実関係を精査してから答えたい」と述べた。

 遮水壁設置を巡る経緯については、原発事故担当の首相補佐官だった馬淵澄夫衆院議員も、同日の党対策本部の会合で海江田氏と同様の事実を公表した。

 民主党は、汚染水漏れ問題を、政権攻撃の格好の狙い目と見定めていた。安倍首相が7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、「状況はコントロールされている」と発言したのに対し、民主党は13日に福島県郡山市で開いた対策本部の会合で、東電フェロー(技術顧問)から「コントロールできていない」との言質を引き出した。同党は18日も菅官房長官に党対策本部がまとめた汚染水対策の申し入れ書を提出。衆院経済産業委員会の閉会中審査や次期臨時国会で政府の対応を追及する構えだ。

 だが、民主党政権による遮水壁設置先送りの容認が判明したことで、同党の当時の責任が問われる事態となった。海江田氏は「当時は原子炉の冷却など優先すべき課題があり、遮水壁の設置は『中期的な課題』とした」と説明するが、党内からは、「責任追及の矛先は民主党にブーメランのように跳ね返ってくる」と危惧する声が上がった。

 これに関し、菅官房長官は18日の記者会見で「当時のことについて、私どもが言及すべきではない」と述べるにとどめた。