待機児童 1年前より2084人減…依然2万人超

厚生労働省は12日、認可保育所に満員で入れない保育所待機児童の数が今年4月1日時点で2万2741人となり、1年前より2084人減ったと公表した。待機児童数の減少は3年連続。それでも、依然2万人超の高水準が続いている。

 保育所の定員は228万8819人とこの1年で4万8641人分増え、過去最高の増加幅となった。ただ、潜在的な需要を見定めずに保育所をつくると、入所を諦めていた人の申し込みも増える。こうした理由などで、希望者が定員を大幅に上回る状態には歯止めがかかっていない。

 待機児童全体の8割が首都圏や近畿圏、政令市などの都市部に集中し、年齢別では0〜2歳児が82%を占めている。待機児童数が最も多かったのは東京都世田谷区で884人(前年同期比98人増)。次いで福岡市695人(同198人減)、東京都練馬区578人(同55人増)の順。昨年全国ワースト1だった名古屋市は、定員を2089人増やしたことで待機児童を752人減の280人とし17位。昨年179人の横浜市は「ゼロ」を達成した。なお、東京都の認証保育所など自治体独自の認可外施設に入る1万6264人は待機児童数に数えていない。