英グラクソ飲料事業、買収で基本合意 サントリー食品 新興国へ進出加速

20130909-00000081-jijp-000-2-viewサントリーホールディングス(HD)の子会社で清涼飲料大手のサントリー食品インターナショナルは9日、英医薬品最大手のグラクソ・スミスクラインと、同社の飲料事業買収で基本合意したと発表した。有力な飲料ブランドの取得で、欧州を中心に事業基盤を強化するほか、アフリカや東南アジアなどの新興国へ事業拡大を加速させる。

 買収金額は13億5000万ポンド(約2106億円)。グラクソの飲料ブランド「ルコゼード」と「ライビーナ」のほか、工場、営業人員などを引き継ぐ。ルコゼードは英エナジー・スポーツ飲料市場でトップシェア。ライビーナは果汁・濃縮果汁飲料市場で4位。ナイジェリアなどのアフリカ諸国やマレーシアにも展開、両ブランドの2012年売上高は約5億1000万ポンド(約797億円)。

 買収による相乗効果などで年率5%成長を目指す。日本での両ブランドの展開や英国でのサントリーブランドの飲料生産などについては未定としている。

 鳥井信宏社長は9日の会見で「アフリカや新興国へ進出する取っ掛かりとなる、成長戦略に合致する良い買収だ」と述べ、新興国を中心とした海外事業拡大に意欲を見せた。

 サントリーHDは、09年に仏飲料大手オランジーナ・シュウェップスを買収するなど海外でM&A(企業の合併・買収)を積極化。今年7月にはサントリー食品を上場、調達した資金約5000億円でM&Aを進める方針を示していた。今回の買収は、上場後初の大型買収となる。