コンビニ各社がサンドイッチ強化 「コーヒーと一緒に」狙う

20130816-00000004-fsi-000-1-viewコンビニエンスストア業界で、サンドイッチの商品力を強化する動きが目立ってきた。店舗に毎日配送する日配食品の領域で、各社が長年しのぎを削ってきた主戦場は、高単価の弁当類だった。だが、サンドとよく合うドリップコーヒーの店頭販売が広がって、状況は変わった。大手各社が「ヘルシーさ」や「上質感」の高い新商品を相次いで発売し、食事を手早く済ませたいビジネスパーソンらの胃袋を狙う。

 「コーヒーとの同時購入が圧倒的に多いのは(サンドなどの)調理パン。もはや最重要の分野だ」と力を込めるのは、セブン−イレブン・ジャパンの鎌田靖商品本部長。6月の首都圏店舗の販売データによると、ドリップコーヒーとの合わせ買いは、上位10種のうち7種を調理パンが占めた。

 同社は今月13日、マヨネーズなどの工夫で従来品よりカロリーを抑えた「野菜とハムの彩りサンド186kcal」を発売。さらに新商品開発を急ぎ、下期中(9〜2月)に調理パンの売上高20%増をもくろむ。

 一方、ファミリーマートが売り込むのは、パン生地の改良や大型化で上質感、食べごたえ感を高めた「プレミアムサンド」シリーズ。先月から関東、関西などで3商品を先行発売したところ、売れ行きは計画の3倍に上っているという。

 当初は男性人気を狙ったが、「朝食用としてコーヒーと一緒に買う出勤途中の女性客が多い」(広報)。今後は販売エリアやラインアップを広げ「コーヒー専門チェーンから客を奪いたい」(同)と意気込む。

 ローソンは、「ブランサンド」シリーズの第2弾を27日に発売する。パンに小麦の外皮を使い、栄養バランスや体形維持の効果に関心が高い女性の人気を集める商品だ。糖質が同種のパンと比べ半分以下と低い分、第2弾は具材を20%増やして満足感をアップさせる。

 各社はコーヒー販売で顧客の来店頻度を高め、特徴的なサンドで囲い込みを図る構え。食事のテークアウトをめぐり他業界との競争も激しくなりそうだ。