3.4兆円執行せず=12年度予算、事業停滞で―復興庁

復興庁は31日、2012年度復興予算の執行状況を発表した。総額9兆7402億円のうち、年度内に執行されなかったのは全体の35.2%に当たる3兆4270億円に上る。未執行分は13年度に繰り越すなどして対応しているが、依然として被災地の復興事業が想定通りに進んでいない実態が明らかになった。
 復興庁は、予算が執行できなかった理由について、地元住民の合意形成に時間がかかったことや、建設資材と作業員の不足で事業が停滞したことなどを挙げている。
 復興予算は12年度の震災復興特別会計と11年度からの繰り越し分の合計で、執行されたのは6兆3131億円。未執行分のうち、13年度に繰り越したのは2兆2030億円で、1兆2240億円は使われる見込みがない不用分に計上した。
 事業別に見ると、被災者支援と産業振興・雇用確保は執行率が60%台だった一方、除染など原子力災害復興は42.6%にとどまった。
 執行状況の公表は今回で2回目。11年度は総額14兆9243億円のうち、実際に執行したのは60.6%の9兆514億円で、約4割が使われずに残った。