企業家精神、発揮を=規制緩和求める―経済財政白書

23日公表された2013年度の経済財政白書は、日本経済の成長力を高めるため、「企業の活力を引き出し、企業家がアニマルスピリット(野心的な意欲)を発揮するようにしていかなければならない」と提言した。日本企業の競争力はアメリカやドイツの企業と比較して劣っているといい、競争力強化の必要性を指摘している。
 白書では、企業の収益力に関する指標「総資産利益率(ROA)」に着目。日本の全規模・製造業のROAは米独に比べ、低水準にとどまったという。
 背景には、日本企業が抱える構造的な課題があると分析。企業が横並び志向で製品の差別化が進んでいない上、非効率的な企業の市場からの退場も進まず、流通システムなどが高コスト構造を生んでいることも、原因に挙げた。さらに、設備の生産性が低く、研究開発投資の効率も低くなっているとした。
 これらの点を踏まえ、政策としてビジネス環境を整備する重要性を強調。先端研究の支援などで企業のイノベーション(技術革新)を促し、規制緩和を通じて国内市場を拡大することが必要だとした。