稀勢、秋場所全勝Vなら横綱昇進も 日馬は12勝以下で激励

名古屋場所後の横綱審議委員会(横審)が22日、東京・両国国技館で開かれた。会見した内山斉委員長は私見として、名古屋場所11勝4敗で綱取りが白紙となった大関・稀勢の里について、秋場所(9月15日初日、両国国技館)で全勝優勝なら昇進を認めることを示唆。3場所連続で不振の横綱・日馬富士(29)=伊勢ケ浜=には、秋場所で12勝以下なら内規にある「激励」などの最後通告を行う考えを明かした。

 稀勢の里は、12勝以上なら秋場所に綱取りがつながるとした北の湖理事長(元横綱)の条件を達成できず、綱取りは消滅した。だが、内山委員長は「来場所、全勝優勝なら綱を張れる」と、秋場所後の昇進の可能性について言及した。一方で、昇進に関する理事会の招集を要請する審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱・旭富士)は「来場所全勝でも次の場所を見ようとなる可能性は高い」と話しており、議論を呼びそうだ。

 名古屋は10勝5敗で、優勝争いに3場所連続で絡めていない日馬富士には、厳しい見解だった。秋場所で12勝以下なら、奮起を促すとともに横綱自らに進退を問う「激励」を行うと示唆。正念場に追い込まれた日馬富士はこの日、母国・モンゴルへと帰郷した。